たぬきの読書

読んだ本の感想やら

三千円の使いかた 原田ひ香

 

 

この本は誰しもが生まれてから死ぬまで付き合わなければいけない”お金”について深く考えさせれらる本であった。

 

物語には20代の結婚前のカップル、30代の夫婦、50代の父母世代、70代のおばあちゃん世代と多様な年齢層の者がそれぞれ”お金”について向き合い、人生を歩む話である。

 

お金について真面目に考える。真剣に考えることが苦手な人に勧めたい一冊である。

自身は将来のことなど考えず、目の前のことに夢中になりお金も好きなように使ってしまうたちであるが、そんな私でも”お金”については真剣に考えなくてはいけないと思わされる一冊であった。

 

お金についてシビアに書かれているからこそ、それにまつわる人間模様も時に痛切に、時に暖かく描かれている。

 

表紙からも想像できるが全体的にほっこりできる仕上がりになっている。しかし、”お金”というテーマを扱っているからこそ、どこか逃れられない現実感というものも同時に存在している不思議な本であった。