たぬきの読書

読んだ本の感想やら

マクベス  シェイクスピア

 

マクベス (新潮文庫)

マクベス (新潮文庫)

 

 シェイクスピアの4大悲劇

マクベス

ハムレット

リア王

オセロー

のひとつ

 

齋藤孝先生が、絶賛する刺激的な文学表現ということでシェイクスピア作品に挑戦しました。

 

要約

徳深く、多くのものから支持を集めていたダンカン王。その王に仕える勇猛果敢な武将マクベス。謹厳実直、忠義を自身の大義に掲げる誠実な男であった。しかし、三人の魔女の奇怪な予言にそそのかされ、自身の個人的な野心を実現させるために欲に溺れ、行動を起こす。王、戦友であるバンクォー、マクダフ一族の暗殺、魔女の教唆に従い、自らの手を血に染め、王位という自らの望んだ地位を手にしてなおあまりある不安感に苛まれるようになった。幻覚が見え、精神的に弱りきってしまった彼は、その異常性、不義、欲に溺れる悪魔だということを多くの者に見抜かれ、謀反を起こされ討ち死にする。

 

 

話のストーリー自体はシンプルなものでどんでん返しがあるわけでもないが、特筆すべきなのは、言葉の表現の美しさ、精緻さである。四字熟語による表現、比喩。

なにより驚いたのはより正確な像を想起させる比喩である。村上春樹さんの作品の比喩も目を見張るものがあるが、それと同等、もしくは超えるような印象を受けた。