たぬきの読書

読んだ本の感想やら

ノックの音が 星新一

 

ノックの音が (新潮文庫)

ノックの音が (新潮文庫)

 

 ノックの音が・・・

 

タイトルに惹かれますよね

でも開けてびっくりすべてのお話が「ノックの音が」から始まります。

すごい仕掛けですよねー

 

星新一さんと言えばショートショートの神様なんて言われたりして、

学校の図書室にもあったりしますよね

自分が初めて読んだのは大学生の時でしたが(-_-;)

兄が昔図書室でよく読んでいたらしく

世にも奇妙な物語みたいな話がたくさん載ってるよーってのは聞いてました。

 

今までに4冊ぐらい読みましたが、少し印象が変わりました。

星新一さんと言えば近未来、SFちっくな話が多く、

未来版の昔話?寓話?のように感じるものもありました。

あと”世にも奇妙な物語的な話”っていうのは的を射た感想で

どんでん返し、急展開、そういうことだったのか!となるものが多いと思います。

 

今回はSF要素は控えめですが、読みやすく、驚く展開がおおかったです。

 

 

ノックの音が・・・

病室に、自宅に、ホテルの一室に、小屋に、ビルの用務室に、、、

様々なところでノックの音から始まるドラマ。。。

結末は予想を超える。

 

 

そんな、感じですね笑

 

こうも毎回予想以上の結末になると、予想を当てるどころか楽しみになってきますね

 

以下、ネタバレ注意

 

特に印象に残っている話は、

現代の人生

財産への道

です

 

現代の人生

弱気な人の部屋にノックが響き、入ってきたのは強盗だった。

自信に満ちた強盗、”今”に全力を注ぐ生き方に感銘を受ける。

またノックが響く、警察だという。

慌てた強盗は、住んでいる人のふりをした。

強盗の代わりに当の本人は大きい箪笥に隠れていた。

警察は強盗を捕えに来たのではなく、弱気な人を捕まえに来ていた。

弱気な人は、実は痴情のもつれで女を殺してしまっていた。

弱気な人のふりをした強盗は捕まり、本人は捕まらなかった。

本人は強い生き方でこの先を歩もうと考える。

 

こういった話だった。最初は弱弱しい人だと思ったのに、最後は立場が逆転している。

すっきりするような話でした。展開が読めないところもわくわく読めていいですね。

 

財産への道

これはとっても世にも奇妙な物語みたいな話です。

こんな話をみたことがある気がします。

 

小金もちの親子のもとに独りの青年が訪れる。

青年はその親子の生き別れの家族として、父の財産分与に携わるために来たのだ。

これには計略があって、事前に調査している側近?のような人に声をかけられ、

絶対にバレないからと説得されてきている。

各種書類を巧妙に偽装し、手土産(高級なダイヤモンド?)を渡す。

しかし、なかなか父と会わせてくれない娘。

そこで、種明かしがされる。

はじめから生き別れの家族がいないこと。

青年の上げた手土産は側近と五分五分で分ける。

 

次はあなたがその誰かを見つけてくる番ですよ。。。

的な感じで終わる。

 

これは世にも奇妙な物語ですねー

 

 

ちなみに私が星新一さんの作品の中で印象に残っているのは、

処刑(有名なやつですね)

かわいい悪魔の話

(悪魔を召喚する術を試したら醜い小動物のような生物がでてきて、叩かれたりすると変な鳴き声を出したりするもんだから、調子に乗って夫婦ともどもストレスのはけ口にしていた。最初は叩いたりだったがエスカレートしていき、針でさしたり、包丁で傷つけたりするようになった。逃がしてはいけないというルールはいつの日かないがしろになっており、逃がしてしまった。今までのストレスのはけ口が夫婦間で発散されるようになる。つまり夫婦の喧嘩は殺し合いみたいになってしまう。ねえ、本当に悪魔でしょう?みたいな話だったと思います うろ覚えですので間違っていたらご容赦を。)

 

 

一冊でいくつもの不思議な?大どんでん返しを味わえる。

それは様々な形でどれも単純でないです。

楽しく読み切れました!