たぬきの読書

読んだ本の感想やら

坊っちゃん 夏目漱石

今回読んだ本はこちらです。

 

坊っちゃん (新潮文庫)

坊っちゃん (新潮文庫)

 

 夏目漱石坊っちゃん

 

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている

最初の一文。これくらいは自分でも聞いたことがある。

読後に見ると、この一文に主人公の人柄が全て集約されているといっても過言ではない。

 

 

なぜこの本を読もうと思ったかというと、

①誰もが知っている名作であるのにストーリーを知らなかったから。

②この前読んだ”語彙力こそが教養である”で本作品がおすすめされていたから。

あんなに読んでいて飽きない文章を書く齋藤孝先生6回音読してなお、味わいのある名作とはいかほどのものか、という気持ちで読み始めた。(すぐ影響されるんです(-_-;)

 

まず読んでみてびっくりしたのは、普通に読めることですね。

気負って読まなくてもすらすらと内容が入ってくる。

明治時代に書かれた本が今の時代に当たり前に読むことができる。

そんな作品を書くことができる、夏目漱石の文才に感激ここに極まれりといった感じです。

 

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている

主人公の坊っちゃん。曲がったことが大嫌いな実直な性格。そして割り切りのよいカラッとした、義理堅い男。胆力はないというが、癇癪持ちでいざというときには潔く行動を起こす。エネルギー溢れる、自我を強く持った男。

少年時代から、そのまっすぐな性格に端を発したトラブルが絶えなかった。そのせいか、家庭では厄介者扱い。世話をしてくれるばあさんの清だけはその人柄を褒め続けた。

 

高校?を終わって四国の田舎へ数学教師として働きに出る。

都会の人とは性質が違い、ずるい、ねちっこい、平気で人を陥れる、上のものにこびへつらってばかりいる、など彼にとってどこかおかしいな、と感じる人々

田舎特有の町の狭さからくる閉塞感など、過ごしづらい場所での生活が始まる。

 

生徒とのもめごと、教師間でのいさかい、人をだまして自分だけ得をしようとする教頭、校長という立場にあぐらをかいて実質的な働きをせぬ狸。

 

様々な問題が起こる。

普通なら一歩二歩後ずさり、妥協点をみつけるところかもしれない。

 

しかし彼は、

親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている

そういう人間だ。

持前のまっすぐさで、どんな問題にも真正面から向かい合う。

 

正しいことは正しい。

間違っていることは間違っている。

 

そんな当たり前のことをなんで忘れていたんだろうと思わされる話です。

 

いつの間にかなんかうまい生き方覚えちゃったなーって気持ちになります。

 

 

 

自分の利益か、義理か、彼は迷わず義理を選ぶでしょう、

本当に正しいか?間違っているのはどっちだ?

 

彼の審美眼、そのまっすぐな無鉄砲さを見習いたいものです。